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24

Jul

【魔術士オーフェンはぐれ旅】新アニメ化、新シリーズ……その歴史をまとめてみた #オーフェン

実は「厨二病」の走り? 現代ラノベの基礎

ティーン向けファンタジー小説の始祖とも言うべき作品としては、『ロードス島戦記』を挙げる声が最も多いと思われます。
ただ、現代のラノベおよびラノベ市場の基礎となった作品となると、『スレイヤーズ』とこの『魔術士オーフェン』を挙げる人が多いのではないでしょうか。
特に『魔術士オーフェン』に関しては、いわゆる「厨二病」の走りと言っても過言ではありません。

本作はタイトルに「魔術士」とあるように、魔術が登場するファンタジー作品です。
主人公をはじめとした多くのキャラクターが「音声魔術」と呼ばれる音声(呪文)を媒体とした魔術を使用します。
音声に定型や制約はなく、また特定の名称も存在せず、各々の魔術士が使用する魔術のイメージを独自の感性で言語化することで出力されます。

「光よ」「死ね」「消えろ」といった、掛け声に等しい音声で魔術を放つ人物も多い一方で、中には非常に(今で言う)厨二的な音声で魔術を放つキャラもいます。
その代表が主人公のオーフェンです。

光熱波の魔術を放つ際には「我は放つ光の白刃」、炎熱系の魔術は「我は築く太陽の尖塔」、突風は「我は流す天使の息吹」、空間爆砕は「我は砕く原始の静寂」
そして最大級の威力を誇る“意味消滅”の魔術は「我が契約により聖戦よ終われ」
実に厨二的で素晴らしいセンスです。

また、音声魔術以外でも「サクセサー・オブ・レザーエッジ(鋼の後継)」といった二つ名を持っていたり、北欧神話をモチーフとした用語が多数登場したりと、作品全体としても厨二的な設定が至る所に見受けられます。
それ自体は本作が初出ではありませんが、「ライトノベルのファンタジー作品=厨二」のイメージを最初に構築したのが本作であり、後出の作品に与えた影響は計り知れないものがあります。

シリアスの長編、コメディの短編

出典 : Amazon.co.jp

『魔術士オーフェン』の旧シリーズには長編短編があり、長編は『魔術士オーフェンはぐれ旅』、短編は『魔術士オーフェン無謀編』というタイトルになっています。

『はぐれ旅』の方はシリアス寄りのストーリーで、特に11巻以降の二部(東部編)は絶望をテーマの一つとするなど、かなり重々しい話です。
一方の『無謀編』は真逆の作風で、こちらはギャグ・コメディ寄りの作品となっています。
『スレイヤーズ』や『フルメタル・パニック!』とも共通する仕様ですね。

『無謀編』は主人公こそ同じオーフェンですが、それ以外のメインキャラの多くは『はぐれ旅』とは違うキャラで固められており、『はぐれ旅』の前日譚なので舞台も物語最初の地であるトトカンタに固定されています。

本編はあくまで『はぐれ旅』で、『無謀編』は番外編的なお話ではありますが、こちらも本編に負けず劣らず人気があります。
キャラはメイン、ゲスト共に変人だらけで、一見まともかと思いきやぶっ飛んだ人物であることもしばしば。
女性キャラも数多く登場しますが、真面目な恋愛話はほとんどありません。

またこの『無謀編』には、俗に「プレオーフェン」と呼ばれるオーフェンの少年期の話も多数収録されています。
金貸しになる前は魔術士養成機関「牙の塔」で最高峰の才能を持った魔術士だったオーフェンが、当時の仲間や指導者と過ごす日常が描かれているストーリー群で、こちらは本編と密接な繋がりがあるものの、作風は基本無謀編寄りになっています。

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