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Apr

【スラムダンク】山王の敗因を徹底検証! 本当に戦犯は堂本監督なのか?


(画像引用 : Amazon)

劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入が120億円を突破し、コミックスもリバイバルヒット中の『スラムダンク』。
その映画でも描かれた山王戦における山王の選手の貢献度を分析。一体誰が真の戦犯だったのかを徹底検証します!

映画で見えたキャプテン深津の貢献


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王戦において、監督以外で最も低い評価なのは概ね彼でしょう。
戦略の中心、ポイントガードにしてキャプテンの深津一成
彼を戦犯、もしくは期待外れとする評価は非常に多く見かけます。

その最大の要因は、前年のインターハイ準決勝で牧紳一を抑えている映像が描かれたからでしょう。

試合も最終的には30点差で山王が海南に勝利。
これによって、深津は牧を圧倒したという印象をどうしても受けてしまいます。
そうなると、その海南に敗北し牧に4人もマークを付けなければならなかった湘北では手が付けられない怪物……という先入観を持たざるを得ません。

しかし湘北との試合において、深津が牧のような存在感を示す事は最後までありませんでした。
その為、どうしても「深津は思ったほどじゃなかった」「大した事なかった」という感想が多くなり、あまり凄さを感じないプレイヤーという印象が根強く残ってしまいました。

そんな深津評ですが、『THE FIRST SLAM DUNK』を観た後で印象を変えた人は少なからずいるようです。
勿論、映画と原作で試合内容が変わっている訳ではありません。
変わったのは、深津がどういうプレイヤーでチームに何をもたらしているのかを明確にした点です。

山王戦をあらためて見るまでもなく、深津は得点シーンが非常に少ないです。

試合開始直後、桜木のアリウープが奇跡的に決まって沸き立つ湘北をすぐに現実へ引き戻す、クールに「同じ2点だピョン」と言い放ったジャンプシュート。
後半、赤木が開き直り三井がそれに呼応して決めた3Pの直後、再び20点差に戻した3Pシュート。
この5点だけしか描かれていません。

試合前、宮城と12cmの身長差がある事から、そのミスマッチを利用し点を取るよう堂本監督に言われた事を考えると、かなり物足りない数字です。
同じPGで1年前に圧倒した(と思われる)牧がガンガン点を取るタイプだった為、「本当に牧より上なのか?」という声が挙がるのは当然でしょう。

ただ、それはあくまで事前の決め事。
序盤、深津が再びジャンプシュートに行こうとした際、赤木がその狙いに気付きいち早くブロックに行きました。
しかし深津は狙いが読まれている事を察知し、咄嗟に河田へパスを出し得点をアシストしています。

このプレイ以降、深津は自分から点を取りに行く事を控えています。
相手の対応を見た上で、戦術プランを変更したと考えるのが妥当です。
その後、河田弟が入った事で彼と桜木の間により大きなミスマッチ(20cm以上)が発生した事で、堂本監督の意図を汲み、こちらを使うという作戦にシフトしたと思われます。

この件だけでなく、終盤の最も重要な局面でも堂本監督は深津にゲームメイクを託しています。
つまり深津は山王のコート上の監督を担っているのです。
チームが迷っている際にはメンバーを集めて指示を出し、個別に話したり、時に鼓舞するなど、キャプテン兼コート内監督という非常に大きな役割を二つこなしていました。

映画ではこの点を原作よりも強調していました。
更に、彼の特徴であるパスに関しても、映像化した事でその凄さがわかりやすくなりました。
その為、映画を観た人は「深津はこういう選手だったのか」と理解できた筈です。

これらを考えると、深津を戦犯とする事は出来ません。
マークしている宮城も、得点はインテンション(アンスポーツマンライクファウル)の時のフリースロー2点のみ。
そのインテンションのインパクトがあまりに強いため、やらかした感が強く戦犯扱いされる事もありますが、他の選手もそこそこやらかしている場面はあるので、相対的に見て致命的とまでは言えないでしょう。

三井を止めた一之倉、止められなかった松本


(画像引用 : Amazon)

山王戦において湘北で最も得点を取ったのは三井寿(25点以上)でした。
その内の9点は前半の序盤、一之倉がマークに付いている際の3連続3P。
ただ、これは三井がキレキレだった事、そもそも身長差がある事を考えると致し方なく、その後抑えている事を考慮すれば十分監督の意図通りの働きが出来たと言えます。

一方、後半から登場した松本はどうでしょう。
バテた三井を抜き去りゴールを決めるシーンこそ描かれていますが、取った点数はたった5ポイント。
逆に三井からは後半だけで16点(内3Pが5本)を献上しており、1人で11点ものビハインドを作ってしまいました。

コート内における戦犯がいるとすれば、恐らくは彼が筆頭です。

最大の問題点は、バテているという理由だけで三井のマークが甘くなっている事。
彼がこの日絶好調なのは前半を見れば明らかで、幾ら疲れていると言っても、せめて2発目を入れられた時点で守備に専念し、極力打たせないようなマークをするべきでした。
海南の清田が後半、流川相手にそうしたように。

松本はオフェンス力に長けた選手ですが、それでもディフェンスに集中すれば、あれだけポンポン3Pを打たせるような事にはならなかったでしょう。
それを出来なかったのは大きなミスと言えます。
オフェンス面では他に点を取れる選手がいる訳ですから、それ以外の役割にもっと目を向けるべきでした。

チーム最多得点も偏りが目立つエース沢北


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

山王のエースとして、その凄味をこれでもかと描かれた沢北。
実際、彼が取った点数は26ポイントで、これは両チーム合わせて最多得点
前半の早い段階で引っ込んだ事を考えると、驚異的な数字です。

後半の彼は圧巻でした。
湘北が勢い付き、一時は24点あった差が8点まで縮まったところで急に牙を剥き、一気に11連続得点。
しかもその間、流川を4回止めており、「4点分の働き(by天才桜木)」を4度もやっています。

当然、戦犯である筈もないのですが……作中でも触れられているように、彼のプレイにはかなりムラがあります。
圧倒的な活躍を見せたのはこの時だけで、前半の見せ場は一度流川を抜いた時に大物の片鱗を見せた場面くらい。
その後は冴えないプレイを連発し、途中交代となってしまいました。

もし沢北が前半から本来の力を発揮できていれば、スタミナに不安のある流川は後半までもたなかったでしょう。
海南戦を事前に見ているので、それは間違いなく狙えたはず。
しかし、高校No.1プレイヤーのプライドもあって、流川の体力を削るという選択肢は本人にもチームにもありませんでした。

その点は、ナメていた……とまでは言えないものの、勝つ為のプレイには徹しきれなかったと言えるかもしれません。

とはいえ、これだけのオフェンス力に加え、深津と共にフルコートプレスの中核を担う役割まで担っている事を考えると、その貢献度はやはり絶大です。

流れを変えてしまったポール野辺&河田弟


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

桜木をマークしていた野辺は、高さを買われてレギュラーポジションの座を射止めました。
そのストロングポイントを活かし、前半は桜木に殆どリバウンドを取らせていません。
得点こそたったの2点ですが、元々彼は点を取る事が仕事ではないので、十分に自分の仕事を果たしていたと言えます。

しかし、それはそれとして、何気に戦犯ポイントが高いのも事実です。
というのも、不慮の事故とはいえ彼が前半に流川のダンクを止めようとして負傷してしまった事が、山王敗北の遠因になってしまったからです。

もし野辺が負傷していなければ、前半から河田弟が出る事はなかったでしょう。
後半、完全に決着が付いた段階で投入する事が出来た筈です。

また後半、桜木から二度リバウンドを奪われた時点で交代してしまった彼ですが、その後一度もコートに戻る事はありませんでした。
これは前半の負傷が原因と思われます。
もし終盤戦に彼がコート上にいれば、最重要局面で河田弟を出すという堂本監督の迷采配もなかったと推察されます。

なので、彼自身が悪いという訳ではありませんが、彼の負傷はチームにとって非常に痛手でした。

河田弟に関しては、桜木や赤木にやられている場面が目立つ一方、まだ素人に毛が生えた程度の技術しかない事を考えると責められません。
これは完全に起用した人物の責任であり、河田弟を戦犯とする事は出来ません。

最後まで無敵感があったセンター河田


(画像引用 : 『集英社』公式サイト https://www.shueisha.co.jp/)

河田に関しては、戦犯扱いする人など誰一人としていないでしょうから、この話題において語る事は殆どありません。
圧倒的フィジカルのセンターでありながら3Pも打てるという、90年代のキャラにして現代のNBAの選手のようなプレイスタイルで、作中トップクラスのセンターだった赤木を終始圧倒。
作中での点数こそ15ポイントですが、悉く赤木を止め、桜木からリバウンドを奪い、桜木のポテンシャルを誰よりも評価するという強キャラ感満載のムーブで、ファンに最強プレイヤーの印象を強く与えました。

あえてケチを付けるなら、沢北同様にスロースターターだった事でしょうか。

沢北とは違い、特に集中力を欠いたりミスしたりした訳ではありませんが、弟がコートに入った直後、彼にばかり構う河田に赤木が苛立ったシーンがありました。
その際のやり取りで、河田は赤木との実力の差をしっかり認識している事がわかります。
ですが、前半は赤木を圧倒するようなプレイは最後までしなかったらしく、赤木を大きく消耗させる事なく2点差で負けた状態で後半を迎える事になりました。

もし彼が前半から全力だったら赤木の消耗はより激しくなり、魚住が駆けつける前に心が完全に折れるか、やぶれかぶれのプレイが重なりファウルが嵩んでいたかもしれません。
手心を加えた訳ではないでしょうが、強者の余裕から来るプレイによって、赤木が復活する隙を与えてしまったような印象はあります。

もっとも、これは難癖のようなもの。
王者・山王を印象付けるような絶望感を赤木と読者・視聴者に与えた河田のプレイは、戦犯とは程遠いものです。

無能の烙印を押されている堂本監督


(画像引用 : Amazon)

「山王の敗因は?」「山王戦の戦犯は?」という問いに対し、最も多くの票を集めるのは堂本監督で間違いないでしょう。

前述したように、桜木以下の技術しかない河田弟を全国大会の初戦にコートに入れるだけでも問題ですが、何をトチ狂ったのか接戦となった終盤に送り出すという暴挙に出たのはフォローのしようもありません。
最強・山王の二番手センターならば赤木以上でなくてもそれに近い実力の選手はいた筈で、その選手を入れれば少なくとも河田弟よりはチームに貢献できた筈です。
また、三井へのマークを松本に徹底させなかった事も、彼が戦犯と言われる理由の一つになっています。

では、彼が怠慢な監督だったかというと、そういう訳でもありません。

事前に湘北レギュラー陣全員の映像を用意し、特徴を把握させた上でOBを集めて調整試合を行わせる徹底ぶり。
スタミナに不安のある三井に一之倉を付け体力を奪う事に成功し、後半の頭にフルコートプレスを仕掛け湘北を圧倒。
点差が開いても緩める事なく、最大で24点もの差を付けました。

普通ならば、これだけ点差が付けばレギュラーと控えを替えてもおかしくありません。
しかしそのままのメンバーで戦う事を選択しました。
これは客観的に見て、過剰なくらい初戦を大事にしている表れと言えます。

その事を考えると、終盤にあえて河田弟を入れたのは、一度試合に入っているプレイヤーを重視したのかもしれません。
あのヒリつくような場面でこの日初めてコートに入る選手を入れてしまうと、試合に上手く入れずミスを犯し、チームに動揺をもたらす可能性はあります。
その点、河田弟であればミスして当たり前くらいの感覚なので、そのリスクはありません。

湘北を強敵、それも不気味な相手だと感じたからこそ、自分達から崩れてしまうリスクを恐れた……という見方も、一応できなくはありません。

といっても、スタメンを変えるほど警戒していた三井の3Pを「それに縛られてくれるなら楽」と軽視したり、桜木のリバウンドが流れを変えていると判断して河田をマークに付けたのに同じく流れを変えた三井の3Pには無頓着だったり、誰がどう見てもアップアップな河田弟を結局最後まで起用し続けたり、後半10~13分の得点が止まっている状況でタイムアウトを取らなかったりと、ツッコミ所が多過ぎるのは事実。
全くの無能とまでは言えませんが、「最大の戦犯は誰か」という問いに対しては、この堂本監督を置いて他にいないでしょう。

まとめ

どうにか堂本監督以外の戦犯を探して、一般論以外の結論を導き出してやろうと頑張ってみましたが、ダメでした。
準備は徹底的にさせるくらい用心深いのに、ゲームに入ると途端にピントがズレてしまうというか……最後まで攻め抜く自分達のスタイルを貫かせるというのであれば、最初から松本起用で点の取り合いをするべきですし、なんかチグハグですよね。
あらためて海南戦を読み直すと、終盤に牧が「完全にバテてるがそれでも三井の3Pは気をつけとけよ」と言っていて、多分牧の方が監督に向いてるんじゃないかと思いました。

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