16Sep

出典:Amazon.co.jp
陰キャ少年の路上格闘ロマンの面白さ
「ホーリーランド」は白泉社の「ヤングアニマル」誌上で2000年から連載されていた、いじめられっ子の陰キャ少年が「下北ヤンキー狩りボクサー」と呼ばれる存在となり、自分の居場所(ホーリーランド)をかけて闘う路上格闘ロマンです。
現在、電子書籍アプリ「マンガBANG」で完結済の全18巻が期間限定で全話無料配信されていて、2021年10月31日まで視聴可能です。作者の森恒二先生のデビュー作でもありヒット作でもあるこの作品は、2005年には実写ドラマ化もされ話題となりました。
森恒二先生はこれ以降「自殺島」や「創世のタイガ」などの長期連載作品があり、ファンならば「ホーリーランド」は押さえておきたい作品。この記事では「ホーリーランド」の登場人物や概要を解説、どんなところに見どころが有るのかをご紹介していきます。
陰キャが戦う格闘漫画のどこが面白いのか
この作品の面白さのポイントはまとめると次の要素になります。
・青年誌にマッチしたリアルぽい格闘シーンの描写力と、一見ひ弱な主人公が屈強な格闘技経験者や、怖そうな不良たちとバトルするストーリー展開。
・筆者(作者)の経験談による解説が、非日常な夜の街でのタイマン勝負という設定をリアルなものと錯覚させることに成功していること。
・陰キャな内面の主人公の葛藤からの成長が努力して手に入れたもので、表現のリアルさから読者が自己投影しやすく共感性が高い。
「ホーリーランド」はこれらのポイントとなる部分が、当時の時代背景と相乗効果があった作品です。
K1(総合格闘技)ブームという時代性
当時TV中継されていたK1などの総合格闘技の試合は、ショーアップされたプロレスと違ったリアルな格闘を見せる事で人気を博していました。
「ホーリーランド」の連載開始は2000年なので「K-1 GRAND PRIX」がシリーズ化されていたこともあり、どの格闘技が強いのかが話題となっていた時代性があった頃です。
立ち技最強は空手なのか、キックボクシングなのか、レスリングなのかが議論される空気感があった時代で、ホーリーランドにはそれらの格闘者とのタイマン勝負もありました。
そんな雰囲気の中で、「ホーリーランド」は舞台設定を夜の街に持ってきたことで、時代とマッチしたテーマを描くことに成功した事がヒットの要因なのではないでしょうか。
あらすじ概要
主人公の神代ユウはおとなしい性格が災いしてイジメ、不登校、自殺未遂を経験した高校生で、学校にも街にも居場所が無かったユウは中学生時代に引篭りになりました。
ある日、偶然本屋でボクシングの本を見つけたユウは引篭る間の無為な時間をひたすら、ジャブからの右ストレートだけを練習することに熱中します。
練習の間だけはイヤなことを忘れることが出来るようになったユウ。
高校生になったユウは街で以前のように不良に絡まれるが、練習で覚えたボクシングの「ワン・ツー」で自己防衛を繰り返すようになり、何時しかユウは「下北ヤンキー狩りボクサー」と噂される存在になっていきます。
それは「路上のカリスマ」と呼ばれる伊沢マサキや、街にたむろしている不良少年たちの関心を呼んでしまい、ユウは自分の居場所(ホーリーランド)を守るために、不良少年との「タイマン」による抗争に巻き込まれる。

QUEくん

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