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8

Sep

【不滅のあなたへ】大今良時原作・アニメ3作品の見どころをまとめてみた!

出典:Amazon.co.jp

聲の形

「聲の形」は聴覚障がい者へのイジメという際どい題材を扱いながら、週刊少年マガジン新人漫画賞で入選するが、掲載を編集部からためらわれていた異例の作品となりました。紆余曲折あってマルドゥックスクランブルの連載終了後に、週刊少年マガジンでの連載が開始されました。

2016年に劇場公開されたアニメ版は京都アニメーション制作により、限られた時間の中でも原作漫画の魅力を十分に引き出しており、大今良時先生の心情描写に負けずに背景や人物描写を丁寧に作り込んでいて、視聴者を引き込むことに成功しています。

漫画版の緻密な構成は連載開始当初から単行本全7巻で組まれていたようで、無駄な引き延ばしなどが無いため、単行本で一気に読むと過不足のない構成に驚かされることでしょう。

あらすじと概要

高校生になった石田将也は小学校の同級生だった西宮硝子と再会するが、西宮は逃げ出してしまう。6年前の小学生時代に石田は西宮が聴覚障がいを持っていたことからイジメ始め、やりすぎてしまってイジメられる立場に転落する。

西宮が転校することになった事件をきっかけに石田は過去を反省し始めたが、謝る機会を逃してしまった石田はやりきれない思いを抱えたまま高校へと進学していた。
過去の罪の意識から周囲から孤立してしまい自殺を考えていた石田は、思い残していた西宮への謝罪と感謝の気持ちを伝えるために、手話を覚えて西宮の元を訪れる。

西宮と友達になりたいと手話で告げた石田の行動から、石田の新しい人生が始まっていく。

見どころ

過去への罪悪感と後悔を抱えていた石田は、人の顔が見られなくなり他人の顔に×マークが見えるようになっています。西宮との和解をきっかけにして、人と関わることに臆病になっていた石田は少しずつ自分の人生を取り戻していくが、西宮への罪悪感はそう簡単には消えませんでした。

そして、石田への気持ちをあらわせずに愛想笑いを浮かべるだけだった関係から、必至に自分の今の気持「すき」を伝えようとする西宮。イジメや聴覚障がいという部分がクローズアップされる作品なのですが、他者との関わりに対して、言葉を通じて行う意味を改めて考えさせられます。

他者の顔が見られなくなり、他人の心の声が聞けなくなっていた石田は、西宮と一緒に新しい扉を開けました。私たちが聞き取れる他人の心の聲はどんな形をしているのでしょう。

他人の声を聞いているだけで、つもりなだけだったと言う石田のセリフがささり、原作漫画の登場人物たちがそれぞれ抱える心の聲がおりなす物語は必見な作品です。

出典:Amazon.co.jp

不滅のあなたへ

フシという何かを通した大河ファンタジーとして、2016年に連載が開始された「不滅のあなたへ」は2021年8月現在、既刊16巻で連載中の漫画作品です。

大今良時先生のキャラクターの感情表現はこれまでの2作も素晴らしかったのですが、セリフの一つ一つの選択、コマ間での間の取り方や移り替わる感情の表現が素晴らしく、更に洗練されています。

2021年にはアニメ化されNHKにて放送が開始されており、壮大な世界観やビジュアルもさることながら、セリフや感情表現が声優の演技によって更に情感豊かに表現されました。

そのため、大今良時先生のセリフ回しの良さが増幅されていて、涙腺が爆発してしまうことが多々起こりますので、視聴時にはティッシュの準備をしていないとエライ事になることでしょう。

あらすじと概要

ある日「球」は地上に出現した。それは無機物として現れ、最初に刺激を受けた石に擬態して年月を過ごし、やがて一匹の狼の死という刺激を受けたことに因り、不死の何かは生物に似た器物へと変わっていく。

長い年月の果てに人々と触れ合いながら、人間という生き物の特性を吸収していくうちに、不死の何か「フシ」は「球」を出現させた謎の存在「観察者」によって作られた存在であることを知ります。謎の敵「ノッカー」と戦い続けながら、「痛み・人々の感情・想い・生死」を知っていくフシ。

フシはやがて現代文明の世代まで生き伸び、かつて出会った人々の子孫とも邂逅して、フシの伝承はさらに先へと進んでいきます。

見どころ

主人公フシが人間でない何かとして観察者と呼ばれる存在によって、地上に出現するところから始まるので、最初は何が始まったのか分かりにくいため、とっつきにくさがあり数話ほど我慢が必要です。

フシは長い年月を通じて人間たちが与える刺激を吸収して、人間のような不死身の存在へと進化(?)していきます。人々はフシの前に現れ、時に導き、共に生き、そして死んでいき、フシは様々なことを知っていくのですが、それらは私たちが短い人生の中で知っていく事柄。

赤ん坊のようだったフシは、次第に人間という生物そのものを見守るような存在へとなっていき、フシと関わった人々のとの交流に不思議と感情を揺さぶられてしまいます。

まとめ

大今良時先生の作品についてご紹介するとともに、その作家性についてご紹介しつつ考察してきました。これまで発表された作品のいずれの作品にも言えることですが、大今良時先生の創作する漫画には物語の構成とキャラクターたちの感情表現について特筆すべき点があります。

映像化された作品もそれぞれ素晴らしく、登場人物の心情などの原作の魅力が増幅され、感情移入してしまうので合わせて見ることをオススメします。アニメでは時間の関係などでエピソードが削られることが多いため、原作漫画を見たことが無い方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

一コマの表情やセリフを使わずに間で表現する感情の機微が心地よく、ページをめくりながら、感情を揺さぶられている自分に気付かれることでしょう。

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