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20

Jan

打倒ディズニー!?映画「えんとつ町のプペル」がヒットしているワケ【キンコン西野】

2020年12月25日に全国で公開され、
今や大ヒット作となった映画「えんとつ町のプペル」。

絵本の映画化というただでさえ難しいコンテンツ。それに加え、新型コロナウイルスの感染拡大という状況の中で、ここまでのヒット作となった理由とはなんだったのか。

原作者・西野亮廣の想いを深ぼり、この作品の魅力を解説していきたいと思う。

引用:eiga.k-img.com
【「えんとつ町のプペル」なぜ話題に?】
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣作の絵本を原作として作られたこの映画。
ここまで注目されている理由をまず紹介していく。

①お笑い芸人が絵本作家へ転身!?
もともと人気お笑い番組「はねるのトびら」でMCを務め、一世を風靡した西野亮廣。
芸人として非常に順調に見えた絶頂のタイミングでテレビの仕事から軸足を抜き、
絵本作家へ転身したのである。

テレビで見なくなったこともあり、
「西野亮廣は芸能の世界からいなくなったのか?」と
世間が思い始めたタイミングでの映画化。
コロナ禍で働き方が多様化するこの日本社会の中で、
「ひとつの職業にこだわらない」という在り方が時代にマッチし話題を呼んだ。

②冒頭3分間の無料公開
YouTube上にて、映画の冒頭3分間の映像をそのまま無料公開。
ただのCMではなく、中身を先に見せてしまう宣伝手法により、多くの客層にアプローチした。
「興味はあるけど行くか決めきれない…」という人々にとって、
作品の要といえる冒頭部分を先に観られるこの仕組みは大きな後押しになっただろう。

③数々の大物声優陣
キャストも、豪華な顔ぶれが揃っている。
まず主演には窪田正孝・芦田愛菜をキャスティング。
脇を固めるのは立川志の輔・小池栄子・オリエンタルラジオ藤森慎吾。
町人Aでキングコングの相方・カジサック(梶原雄太)が友情出演しているというこだわりぶりだ。
この声優陣がきっかけで映画に興味を持った顧客層も少なくないだろう。

④有名アーティストとのコラボ
映画の劇中歌にも使われているhydeの「HALLOWEEN PARTY」という曲。
2005年からある曲だが、プペルver.としてリメイクしたのだ。

ミュージックビデオは世界的演出家の蜷川実花氏が担当。
また、「バブリーダンス」で登美丘高校ダンス部を日本連覇に導いた振付師akaneが振り付けを手がけ、圧倒的にクオリティの高い作品に仕上がっている。

実際にYouTubeでの動画再生回数は100万回を超え、視聴者に強烈なインパクトを残している。

引用:natalie.mu
【西野亮廣氏が込めた想いとは】
①それぞれのキャラクターに投影した「メッセージ」
この映画の中には、様々な「立場」のキャラクターが登場する。
みていると、どのキャラクターにも共感できる部分があり、
自分の姿を重ね合わせて観てしまうのだ。

主役のルビッチは、反対意見を押しのけて夢を追い、行動する立場。
プペルは、誰に対しても無条件かつ平等に愛情を注ぐ立場。
アントニオは、一度夢を追いかけたが諦め、叩く側に転じた立場。
ドロシーは、夢追い人を理解し支援する立場。
ブルーノは、希望や夢を語り、道半ばで命絶えてしまった立場。
ローラは、母として見守り、送り出す立場。
異端審問会は、制度や権威を重んじ古きを守る立場。

このように様々な立場の者が、自分の判断軸に従い行動を起こす様が描かれている。
主役のルビッチとプペルに共感が集まるかと思いきや、
脇役たちの背景や感情に触れると、どうも他人事ではなくなってしまうのだ。

実際に筆者も、1回目に観たときは夢を追い行動するルビッチに非常に強い共感を抱いたが、
2回目の鑑賞では、「諦めてしまった過去を正当化したいアントニオのような自分」がいることにも気づけた。
いずれライフステージが変わり、子どもができてから鑑賞したら感じ取るものも変わるだろう。

それぞれのキャラクターに自分を重ね合わせ、「自分ならこの状況どうしたか?」「自分よ、本当はどうなりたいのか?」「このままでいいのか?」こんなことを思い心が揺さぶられるのだ。
そして最終的にはキャッチコピーでもあるように、「信じ、行動してみよう。」という気持ちになる。
どの立場の人から見ても同じように背中を押してもらえるメッセージが、この映画には詰まっているのだ。

西野氏は各取材の中でも「いろんなポジションの人を登場させ、あらゆる人が感情移入できる作品にした」ということを語っている。
コロナ禍で苦しい日本社会の中、老若男女全ての人にエールを送りこの局面を乗り越えていきたいという強いメッセージ性が感じ取れる。

引用:pinimg.com
②西野亮廣氏の在り方
この作品の魅力は、なんといっても原作者の西野亮廣氏の生き様と映画のメッセージが強くリンクしていることだろう。
主役のルビッチは、自分自身を重ねて描いたということを同氏は語っている。

芸人から絵本作家に転身したとき、日本中からバッシングを浴びた。
「ディズニーを超えるエンタメを作る」という夢を掲げた時、多くの人が笑い物にし、信じなかった。
オンラインサロンやクラウドファンディングなどの挑戦の際は、「怪しい」「宗教だ」などと、中身を調べもしない人たちから叩かれた。

それでも諦めずにやり続ける姿は、星の存在を信じて行動するルビッチとまさしく同じである。
「えんとつ町のプペル」は、夢を追い、叩かれながらもやり続ける西野亮廣氏だからこそ描けた臨場感のあるストーリーだといえる。

さらにこの映画の売り方にもその生き様が現れている。
緊急事態宣言が発令される前は「西野亮廣トークショー」と称して全国の映画館を周り、
上映の前後の時間を使って作品に込めた想いや裏話、実は隠されていた伏線などを話してくれる。
筆者もこのトークショーを訪れたが、目から鱗の連続だった。プペルの今後が楽しみで仕方なくなるトリックが満載であった。
残念ながら緊急事態宣言の発令とともに予定されていたトークショーは全て中止になってしまったが、変わらず全国を回り続けている。感染症対策を万全にした上でいちお客さんとして映画を鑑賞し、「一緒に見ましょう!」とSNS上で呼びかけて集客しているのだ。
メッセージを言葉で伝えるだけでなく、圧倒的な行動力を背中で見せている。
時間も労力もかかる「ドブ板営業」を惜しまず徹底的にやるこの姿は、夢を語るだけで行動不全になってしまっている多くの人へ刺激をもたらしている。
今や西野氏だけではなく、彼の周りのスタッフや若手社員もこの「ドブ板営業」に加わり、ともに日本中へ映画を広げている。

さらに、西野氏と近い人だけではない。ファンをも動かす影響力がある。
彼の想いに共感したオンラインサロンメンバーが、一緒に映画を普及しているのだ。
飲食店を経営する人であれば自分の店舗へポスターを掲示。
自腹でチケットを複数枚買い、友達に売るサロンメンバーも。

この売り方を「怪しい」「汚い」と叩く人もいるようだが、
これだけの行動変容を起こせるということは強い共感を生み出している証。
西野氏の影響力がうかがえる。

このように、作者の生き方が色濃くストーリーに反映されていることで、
よりメッセージ性が強まっているといえるだろう。

引用:natalie.mu
【「えんとつ町のプペル」のこれから】
西野氏が掲げている夢は
「ディズニーを倒す」
「300年続くエンターテイメントを作る」
ということである。
大ヒットを記録した本映画だが、おそらくこれで満足することもなく
300年後に引き継がれるような仕掛けを作り続けるだろう。

夢を追う姿に筆者も背中を押されながら、
このエンタメの行く末を見守り、ともに作っていきたいと思う。

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