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May
『カイジ』に登場する愛すべきクズたちの紹介 #福本伸行
出典 : Amazon.co.jp
『カイジ』には、とてもたくさんの“クズ”が登場します。
ただクズといってもその種類は一様ではなく、怠惰なクズ、人を裏切るクズ、犯罪を犯すクズ…など様々です。
しかし、こういった”クズ”たちに対して、ただ軽蔑の目を向けるのは早計といえるでしょう。
彼の”クズ”な行動の中にも人間の本質が見え隠れしていて、そういったところを愛してこそ、他人を受け入れることができるかもしれません。
今回はカイジに登場する”愛すべきクズたち”を紹介します。
果たしてこの”クズ”たちを、あなたは愛せるでしょうか…っ!
1.安藤
カイジらと一緒にエスポワール号へ乗り込んだ多重債務者で、ギャンブル序盤からいきなり星を失いピンチに陥ってしまいます。
その後、カイジと手を組んで、戦略的に勝利を目指そうとするものの、目先の利益におぼれて、足を引っ張る引っ張る。
何とか持ち直し、星を集めて、ギャンブルはなんとか終了。
余った星で牢獄に連れて行かれたカイジを救出する約束していた…のですが、星が高値で売れることに目がくらんでしまい、カイジを裏切ってしまいます。
さんざん共に戦い、自分を助けてくれた恩人であるカイジを、軽々と裏切る様は“クズの中のクズ“といっても過言ではないでしょう。
その後、機転を利かせたカイジが牢獄から脱出し、安藤は天誅をくらわされます。
安藤は人を簡単に裏切るクズといえますが、よく考えてみると、安藤はカイジを助けることについて、損得で考え、裏切る選択をしました。
人間関係を損得勘定で計り、人を裏切ったり切り捨てたりする人は、世の中にも多くいます。
それを考えると、同じような状況になった場合に安藤と同じようなことをしてしまう人がいるのではないかとも思わされますね。
2.三好
三好は「地下チンチロ編」で登場、カイジらと「45組」を結成し、班長大槻を負かせます。
その後、カイジがパチンコ沼で大勝し、三好らも地上に上がることができました。
いわばカイジは三次にとって、命の恩人といえる存在なワケです。
しかしその後、「17歩編」では、カイジの対戦相手である村岡の配下に入り、村岡のイカサマの手伝いをして、カイジをハメようとします。
カイジを裏切った理由は、パチンコ沼の賞金が余っているはずなのに自分には全く祝儀をくれなかった、という勘違いが原因だったといわれていますが、それでも地上に復帰させてくれた恩人を罠にはめようとするのは、ご立派な“クズ”と言えるでしょう。
この三好もそうですし、安藤もそうですが、人は後ろめたいことをするときには、罪悪感を消したいのか、無意識にもっともらしい理由を作り、自分の行為を正当化しようとすることがありますよね。
自分のやっていることをいかに正当化するのか、という部分に関しては、私たちにも知らず知らずのうちに共通する部分があるのかもしれませんね。
3.コンビニの店長
「鉄骨渡り編」の中で、カイジがアルバイトをしていたコンビニの店長です。
カイジ曰く「世の中に普通に存在するが、程度の低い人間」という評価。
売上金がなくなったときには、証拠もないのに、まず折りの合っていなかったカイジを疑い、反論されると逆切れ。
さらにネチネチと小言をいったり、人によって対応を変えるなど、どこかが見たことがあるような、“ありふれたクズ”です。
事実よりも、自分が見たいものを見ようとする人物、もし、そんな人に会った時には、カイジのように程度の低い人間だと思ってやり過ごした方が賢明かもしれませんね。
まとめ
どうでしょうか…、愛せそうでしょうか…!
カイジには、ほとほと呆れてしまうような”クズ”たちが本当に多く登場します。
しかし、彼ら”クズ”たちにはなんとなく共通点があったり、100%憎むべき存在という訳でもない点もあります。
カイジのこれらの”クズ”を見ておけば、もし、生活の中で同じような人物に遭遇した時、ある程度耐えられるのではないでしょうか…!