アニメ界の異端児! ポプテピピックのココが凄い

出典 : (c)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード : TVアニメ「ポプテピピック」公式サイト

アニメ『ポプテピピック』とは、大川ぶくぶ先生原作の同名4コマ漫画をアニメ化した作品です。
一見萌えキャラを意識したようなデフォルメ調の強いミニキャラが過激な言動を行うシュールな展開が特徴で、twitterをはじめとするSNSなどでカルトな人気を誇っていました。
2017年4月には大々的にアニメ化を告知し、11月開始であることを正式に発表しましたが、「キングレコードの勘違い」により延期。

紆余曲折ありながら、2か月遅れの2018年1月に放映を開始しました。

今回は、放映発表直後から公式自らが「クソアニメ」と自称するポプテピピックのユニークさと、その魅力をたっぷりとご紹介します。

【異端ポイント】

・放送直後に再放送

ポプテピピックはそれぞれの話が繋がっている物語性のあるタイプの4コマ漫画ではなく、確固とした世界観を持たず、それぞれの話が独立しているタイプの4コマ作品です。
一話一話が非常に短いので、放映以前から原作ファンの間では「ポプテピピックで30分間アニメを作るのは難しいのでは?」と言われており、おおよそ5分程度の短いアニメを放映するのだろうと考えられていました。

確かに出来上がったものは15分以内に収まる短いものでしたが、制作サイドはこの15分アニメを「2回放送する」という形で放映枠30分を使い切ります。

おおよその放映内容が同じな点から手抜きと見られることもありますが、30分で二回放映されることを逆手に取ったネタもたくさん仕込まれているので、一概に「手抜き」とは言い難いでしょう。

・放映される毎に変わる主演声優

ポプテピピックは主役であるポプ子とピピ美を担当する声優が放映される度に代わるのも特徴です。
この二人のキャスティングには、第一話の初回放映分を除いて、過去の有名アニメなどで共演した二人が起用されることで話題を呼びました。

例えば第一話再放映枠においては、アニメ「タッチ」でヒロインである朝倉 南役を務めた日高 のり子と上杉 達也役の三ツ矢 雄二が、それぞれポプ子とピピ美の声優を担当しています。
中には、過去で共演したアニメをモチーフとしたアドリブネタを披露してくれるコンビも。

ちなみに、放映前にはポプ子とピピ美の声優は上坂 すみれと小松 未可子であると発表されていました。

・ユニークな構成

ポプテピピックは複数のコーナーに分かれています。
形式としてはバラエティ番組が近く、一度の放送の中に個性的なクリエイター達の企画がギュッと詰め込まれているのです。

原作のネタを忠実に再現したコーナー「POP TEAM EPIC」から物語が連続して続いているアニメオリジナルのストーリー「POP TEAM STORY」に加え、実写のフェルト人形をコマ撮りすることで作られている「POP TEAM DANCE」など、その種類はさまざま。

中には、日本語が分からないフランス人ティボ・トレスカ氏が作成した全てフランス語のコーナーや、学生でありながら高品質ドット絵アニメーションを山下 諒氏が手掛ける8bit風ドット絵アニメなどの個性的なものも。

【見所】

・声優の個性が光る「ポプ子」と「ピピ美」の演技

本作の二回連続放送の恩恵を最も大きく受けているのが、主演声優を放映するたびに変更する点でしょう。
同じアニメーション・同じ内容でも演じる声優によって、まるで違う一面をポプテピピックは見せてくれます。

第二話の後半パートでポプ子を演じた声優の古川 登志男氏は、ポプテピピックについて公式のツイッターにてこう論じています。

確かに古川さんの言うとおり、前半パートと後半パートは内容は一緒でも、声優によってポプ子とピピ美の演技は違います。
各声優の演技に注視してみるのもポプテピピックの楽しみ方の一つです。

・元ネタを知っているとなお楽しい!パロディシーンの数々

原作コミック「ポプテピピック」はメタなネタやパロディネタの多い作品ですが、大量のパロディや風刺の利いたネタが詰め込まれている点はアニメ化しても変わりません。
それどころか、アニメオリジナルのネタも新規に加えられています。
第一話だけでも、スーパーマリオワールド・君の名は。・クロノトリガー・蒼き流星SPTレイズナー・ジャイアントロボ・流浪人剣心など、古いものから新しいものまで非常にたくさんのアニメやゲームからパロディのネタが使われています。

また、声優が今まで演じてきた有名アニメのキャラクターをパロディした、所謂声優ネタも多数詰め込まれています。
総勢48名、24通りの組み合わせを用いた声優本人によるパロディネタは、このアニメだからこそ実現した展開と言えるでしょう。

・賛否両論、新コーナー「ボブネミミッミ」

奇抜なアニメーションがウリのポプテピピックですが、その中でも一際異色を放つコーナーがあります。
それがAC部の制作する新コーナー「ボブネミミッミ」です。
プロデューサー曰く、「本編の箸休めとしてみてください」とのことですが、とにかく箸を休ませてる暇がないほどユニークな作風を誇ります。

ボブネミミッミを制作したAC部というアニメ制作ユニットは、「新しい視覚体験を与える」というスローガンを掲げており、わざとデッサンを崩したり、わざと作画を荒くしたりする手法を日常的に使っています。
ボブネミミッミも勿論例外ではなく、全編を通して作画が崩壊しっぱなしの作品として仕上がりました。

・ハイクオリティなOP

ポプテピピックの何よりも素晴らしい点は、作画崩壊を意図的に起こしているボブネミミッミを除いて、全編を通して作画崩壊しない点です。
その熱い作画へのこだわりはOPにも反映されています。
声優の上坂すみれさんが歌うオープニングテーマ「POP TEAM EPIC」に合わせて、本編以上に高品質のアニメーションが流れていきます。
混沌を映像化したようなアニメーションに加えて、千変万化しながら動き回るポプ子とピピ美の動きは見ていて愉快な気分にさせてくれます。

【まとめ】

では、公式が自ら自虐するように、ポプテピピックは果たしてクソアニメなのでしょうか。
答えは、YESでもあるしNOであるとも言えます。
全体を通してハイクオリティな作画なので、映像面ではまず文句のつけようがありません。
問題はその内容です

ポプテピピックには、「楽しむためのハードル」が存在します。
上述したようにポプテピピックは、その内容のほとんどをパロディネタで構成しているせいで、それがまったくわからない人には何が面白いのかまるで分かりません
もちろんオリジナルのネタも存在していますが、その数は希少です。

すなわち、ポプテピピックはアニメやゲームに関する知識の数が多ければ多いほど楽しむことのできる作品である一方で、アニメにもゲームにもあまり興味を抱かない人間にとってはまるで楽しめない作品に仕上がっているということなのです。

まだ未視聴の方で、声優オタク・ゲームオタク・アニメオタクなど、とにかく日本のサブカルチャーに敏感な方は、きっとこの作品を楽しむことができるでしょう。
ただ、オタク文化に興味のない方でも、もしもこの作品が気になったのであれば一度視聴してみることをおすすめします。
きっと、世の中にこんなアニメもあるんだ、と面白いか面白くないかは別として、まったく新しいアニメの形を垣間見えたことに感動するはず。

終わりのセラフ ダークな世界観が織り成す王道ファンタジー

出典 : (c)鏡貴也・山本ヤマト・降矢大輔/集英社 : 公式サイト 終わりのセラフ.com

大人気連載中の漫画『終わりのセラフ』

2012年よりジャンプS.Qで連作が開始し、ジャンプの暗黙ルール「友情」「努力」「勝利」に違わないストーリー構成は王道ファンタジーでありながら読者を飽きさせない。
2013年には小説も発行となり、2015年4に待望のアニメ放送を果たす。今現在もシリーズ累計発行部数は700万部を突破する人気作品である(2017年5月時点)。

連載スタートは2012年だがまだまだ人気が衰えない様子。その秘密は臨場感あふれるバトルシーン、明媚な作画、王道展開の中に見えるオリジナルティ…。
理由は様々だが是非今後とも漫画・小説、その他舞台など応援したい作品になる。
今回はそんな『終わりのセラフ』を少しでも多くの方に知っていただけるよう魅力に迫っていきたいと思う。

 

『終わりのセラフ』とは

世の弱者である人間が強者である吸血鬼と戦うダーク・ファンタジー

突如蔓延した未知のウイルスにより世界は壊滅。大人たちは死に絶え、残った子供たちもまた地下都市より現れた吸血鬼たちに支配され過酷な運命を辿ることになった。
主人公である百夜優一郎(ヒャクヤ ユウイチロウ)も百夜孤児院の家族と共に4年の歳月を吸血鬼都市「サングィネム」で暮らす。
子供たちは血液を提供する代わりに生かされる、いわば家畜。
反感を抱く優一郎は「家族」ある百夜ミカエラ(ヒャクヤ ミカエラ)と脱走計画を立て、孤児院の家族と地下から脱出を図る。
しかし、その計画はやむなく吸血鬼たちに打破され家族の死の上で優一郎1人が地上へと帰還。
命からがら逃げ出した優一郎を保護したのは日本帝鬼軍吸血鬼殲滅部隊 「月鬼ノ組」中佐、一瀬グレン(イチノセ グレン)だった。

数奇な出会いにより生き延びた優一郎はそれからさらに4年後、吸血鬼殲滅のために日本帝鬼軍に入隊する。
しかしながら吸血鬼への恨みが先行し、命令違反を犯す優一郎は謹慎処分を受け、高校へ通うことに。
そこで「友達を作ること」と課題を与えられ学園生活を送ることになる。

出典 : (c)鏡貴也・山本ヤマト・降矢大輔/集英社・終わりのセラフ製作委員会 : 終わりのセラフTVアニメ公式サイト

学園にて友とも仲間とも呼べる、君月士方(キミヅキ シホウ)、早乙女与一(サオトメ ヨイチ)。
優一郎の監視役を担う「月鬼ノ組」分隊長、柊シノア(ヒイラギ シノア)に出会いつつ、優一郎は力を身につけていく。
鬼の宿る武器「黒鬼」シリーズも手に入れた優一郎は満を持して初任務へと赴く…が、
そこで優一郎を待っていたのは残滅すべき吸血鬼たちのみならず吸血鬼と化したミカエラ。
4年の時を経て再開した家族は人間の敵。相反する存在になってしまった彼らだが、お互いを大切に思う気持ちは変わらず、吸血鬼であるミカエラは「人間に利用される優一郎を救いたい」と願う…

主人公である優一郎はもちろんの事、サブ主人公に当たるミカエラが吸血鬼に至るまでの秘められた真実。
そして優一郎の身に宿る「終わりのセラフ」とは何か?
ダークな世界観で惚れ惚れする迫力満点なバトルと美しい友情が織り成すファンタジーにどんどん魅了されていく作品になる。

 

『終わりのセラフ』の魅力
その1 家族愛が行き過ぎている

主人公である優一郎とサブ主人公のミカエラは上記で述べた通り「家族」に位置する。
しかし同じ孤児院と言っただけで実質血の繋がりはなく、また一緒にいた期間はどちらかといえば短い。
さらに吸血鬼都市から逃げるためミカエラは優一郎のために囮になったとも言える。
命を救われた優一郎が強い自責の念を持ち、彼の影に焦がれることは理解していただけるかと思う。
しかし注目すべきはミカエラの方。
通常囮になり吸血鬼に落ちたミカエラが恨むことが分かれど優一郎を強く想うことは考えにくいと思われるが、本作品には美しい友情の下、ミカエラの異様な執着が描かれている。
「優ちゃん」が口癖なのでは?と疑うほどの優一郎が世界の中心といった様子。
この2人を見ていると相思相愛過ぎて胸が痛い…というよりはミカエラが「全部捨てて僕と逃げよう」など言ったあかつきには完璧にBL展開を感じ涙を興じ得ませんでした。
優一郎はヒロインだったのではないかと錯覚を覚える…いや、ヒロインはシノアと呼ばれる少女のはず…。
もちろんBL展開を好む読者ばかりではないため、純粋に美しい友情と捉えていただければいいと思うが、友情描写がダークファンタジーに相まってぞっとするほど美しいと見える。

 

その2 サービスシーンが多い

上記のBL展開に少し被ってしまうが、『終わりのセラフ』は「絶対に狙っている」と思われるサービスカットが多々ある。
例えば吸血シーン。うっとりと吸血鬼たちが目を細めて笑い、やらわかな子供の肉を割く瞬間や、ミカエラが優一郎に牙を立てる瞬間など喜びのあまり奇声をあげるほど。
ただでさえ吸血鬼ゆえか美丈夫揃いの作品に思わず官能さすら感じる。

 

その3 小説との合わせ技がすごい

連載の続く『終わりのセラフ』だが、読者として残念なのが月に1回しか話が進まないということだ。
週刊漫画も読んでいる身からすれば月間というだけで次が気になりすぎて苦痛なのだ。
しかし!終わりのセラフのいいところは「小説」も合わせて楽しめるところにある。
小説は「一瀬グレン」と「ミカエラ」を主人公に置いたものがそれぞれ二作品。
グレンは本編でも何やら企てているのが伺えるが、その起因となる漫画では明かされない事実がどんどん明かされいく。
ちなみに「終わりのセラフ」の秘密もどんどん明かさていく。
作者いわく、「漫画版は滅亡した後の世界をどう生きるかという話」、「小説の方は滅亡するまでの話」とすみわけをしており、作品における≪テーマ≫や役割が異なっているとのこと。
つまり「謎解き」が好きな人は小説を読むことでより楽しんでいただけるわけだ。
フラグだけ立てて解決しないで終わる漫画が多い中、細部まで裏づけがある物語ほど楽しいものはない。
漫画を読むのも面白いが、ここは小説も加えることで1つ1つの展開が結びつきさらに物語を味わうことができる。
もちろん小説を手掛けるのは原案の鏡貴也先生。

小説:終わりのセラフ〜一瀬グレン、16歳の破滅〜

出典 : (c)鏡貴也・山本ヤマト・降矢大輔/集英社 : 公式サイト 終わりのセラフ.com

柊の分家である一瀬の次期当主・グレン。彼は柊が統括する第一渋谷高校に入学。
そこで迫害を受けながら実力を隠して学校生活を送る中で様々な出会いを経た末、彼は柊家を追われる鬼となった少女、真昼と恋仲になる。
しかし話は進むにつれて真昼を殺さないといけないという苦境に立たされていく……!?
グレンと真昼の恋愛ももちろんながら、どんどんと「終わりのセラフ」の謎を解明していく作品である

小説:終わりのセラフ〜吸血鬼ミカエラの物語〜

優やミカエラがまだ吸血鬼の家畜として生きていた時代。ミカエラは、自らの名の意味に疑問を抱き始めていた。フェリドが知るミカエラの真実とは一体何なのか…。吸血鬼たちの秘密を解き明かす衝撃シリーズ

 

さらに『終わりのセラフ』を楽しむ為に

「終わりのセラフThe Musical」
2016年、2.5次元ミュージカルとして登場。アニメの1クール目にあたるところを舞台化している。
優一郎たち人間側の視点とミカエラたち吸血鬼側の視点、どちらからも描かれる作品であり、
優一郎役の佐野さんが舞台狭しと飛び回る殺陣のシーンは見どころのひとつ。
激動の中で描かれる鬼気迫るバトルと人間模様を楽しんでいただきたい。DVD&Blu-rayも発売している。

自分という存在に疑問を抱き始める雄一郎や、終わりのセラフとは何なのかという謎。まだまだ話題の尽きない『終わりのセラフ』を改めて楽しんでみてはどうだろうか。

『からかい上手の高木さん』の高木さんがからかい上手な9の理由【ネタバレ有】

出典 : Amazon.co.jp

話題作・人気作がたくさん生まれた2018年の冬アニメ。放送前から期待度の高かった『からかい上手の高木さん』も、その期待通り多くのアニメファンを釘付けにしていました。
このアニメの魅力はやっぱりタイトルの通り、高木さんの「からかい上手」なところ。そして高木さんにいつもからかわれる西片くんの純粋で初々しいリアクションも人気の一因と言えるでしょう。

今回、そんな2人が見せてくれた数々の「からかい&リアクション」を徹底的に研究し、どうして高木さんがからかい上手なのかを検証してみました!

(※ストーリーに関するネタバレがありますので、気になる方はご注意ください!)

 

【その1:からかう相手の観察が上手】

まず前提として、人間はどうでもいいと思っている相手はからかう事はできません。
相手の弱い所や可愛い所をたくさん知っているからこそ、からかいの引き出しもたくさん生まれる訳で、リアクションが面白いからという理由だけでずっとからかい続けるのは無理です。

高木さんと西片くんの出会いは、アニメ第12話「入学式」のエピソードで披露されました。
自分の落としたハンカチを拾って学校に届けてくれた西片くんを気に入ったからこそ、隣の席の西片くんをずっと観察して、からかいの引き出しを一つ一つ増やしていったのではないでしょうか。

それがよく現れているのが、第10話「背比べ」の回です。
どっちの身長が高いかを比べるお話ですが、そのきっかけになったのが高木さんの「背、伸びた?」の一声。
西片くんを日頃から観察していなければ、出て来ない言葉ですよね。

 

【その2:駆け引き上手】

相手をからかうには、相手との駆け引きにおいて常に一枚上手でなければなりません。
高木さんの駆け引きの上手さが発揮されるエピソードはたくさんありますが、典型的なのがアニメおよび原作の第1話「消しゴム」です。

このエピソードで高木さんは「消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切ったら両想いになれる」という前フリをした後、先生に「トイレに行っていいですか?」と言って席を立ちます。
ポイントは、西片くんの見える位置、そして手に届く範囲に消しゴムを置いてから教室を出ているところですね。
授業中なので席を立ってまで隣の机の消しゴムを手に取る訳にはいきませんから。

さすが高木さん、抜かりありません。

 

【その3:思わせぶり上手】

高木さんのからかいには色んな種類があります。西片くんの意表を突くからかいもあれば、核心を突くようなからかいもあります。
その中でも特に可愛いと評判なのが、「思わせぶり」なからかいです。

例として、アニメ第3話の「日直」というエピソードをご紹介します。
日直なのでいつもより早く登校した西片くんが、校舎の外で高木さんを発見し、教室のどこかに隠れた彼女を探そうとするお話です。

いつものように高木さんから予想の上を行かれてしまい、見つけられずに驚かされてしまった西片くんですが、このエピソードの真骨頂はその後にあります。

まだ早朝という事もあって、教室には2人しかいないのですが、そこで高木さんは「このまま誰も来なきゃいいのにね」と大胆発言。
こんな事を言われたら、自分に好意があるって誰でも思っちゃいますよね。
しかも、きっと西片くんが日直なのを知っていて早めに登校してるんでしょうから。

 

【その4:切り返しが上手】

いつも高木さんにからかわれている西片くんですが、やられっぱなしはやはり不本意らしく、高木さんへの仕返しを常に画策しています。
その為、ちょくちょく高木さんをからかおうと攻めの発言を試みるのですが……大抵は完璧な切り返しを受けて返り討ちに遭ってしまいます。
高木さんは生粋のカウンター使いでもあるのです。

例として、アニメ第3話の「傘」というエピソードをご紹介します。
傘を忘れた高木さんが西片くんの傘に入って下校するお話で、西片くんは傘を忘れた高木さんに「案外ドジなのかいっ!?」と強気な発言で煽ります。

それに対する高木さんの返答は、意外にも「たしかにちょっと忘れっぽいかも」という、しおらしい内容。
しかしこれが、巧妙な切り返しの伏線なんです!

その後、「今もちょっとド忘れしてることがあってさー」と言い放つ高木さん。
そして続けざま「この状況ってなんて言うんだっけ」と呟きます。

そうです。西片くんに「相合い傘」と言わせたかったのです!
案の定、照れてしまう西片くん。
高木さん、さすがです。

 

【その5:我慢が上手】

 

出典 : (c)2018 山本崇一朗・小学館/からかい上手の高木さん製作委員会 : TVアニメ「からかい上手の高木さん」公式サイト

どれだけ高木さんがからかい上手でも、常に完璧という訳にはいきません。
ごく稀にですが、西片くんの反撃に思わず心を乱される事もあります。

屈指の人気エピソード、アニメ第11話「クリティカル」がその最たる例です。

星座占い&血液型占いで共に1位だった西片くん、今日こそは高木さんをからかえると意気込んだものの、結局何も出来ないまま放課後を迎えます。
その帰宅途中、友達からゲームのお誘いを受けるも断り、そのまま高木さんと下校。
どうしても高木さんをからかいたい一心でアレコレと考えている西片くんに対し、高木さんは「よかったの?」と問いかけます。

それに対する西片くんの答えが、高木さんの胸にクリティカルヒット!(ここはぜひアニメか原作をご覧になって下さい)

しかし高木さん、西片くんが目の前にいる間は表情を変えずに乗り切ります。
けれどやはりクリティカルの威力は絶大で、西片くんと別れた後は口をへにょへにょにして喜びを隠しきれないのでした。

我慢が上手でなければ、からかい上手は務まらないのでしょう。それにしても可愛過ぎでしょう。

 

【その6:表情の作り方が上手】

高木さんのからかい上手、駆け引き上手な理由の一つに、表情の巧みさがあります。
小悪魔的な笑い顔の印象が強いですが、実はいろんな表情を駆使して西片くんを翻弄しているんですね。

色んなエピソードでその巧みさは確認できますが、わかりやすい例として第5話「テスト返却」の回をご紹介します。
テストの結果を当てっこするという非常にシンプルな構成のお話ですが、それによって内容の大半は2人の駆け引きに集約します。

まずは西片くんが洞察を働かせ、「92点くらい」と予想しますが、その際の高木さんの表情は普段殆ど見せない「キョトン」としたような顔なんです。
あからさまに表情を変えた事で、西片くんの疑心暗鬼を誘う高等テクニック……とみせかけて、実は本当に92点だったというオチでした。

ただ、これが本当に「当てられた事に驚いてキョトンとした」のか、「わざとオーバーなリアクションをして困惑させた」のかは、高木さんのみぞ知る真実。

 

【その7:褒めるのが上手】

相手をからかう為には、単に虚をつくだけではダメです。感情を揺さぶり、翻弄する事が必要となってきます。
その為には、相手を良い気分にさせるような言葉、つまり「褒める」という行為が重要で、高木さんも実は褒め上手なんです。

アニメ第3話「筋トレ」は、高木さんにからかわれた数の10倍、腕立て伏せをする……という西片くんの奇妙なストイックさに思わず吹き出してしまうお話ですが、そんな西片くんに対し、高木さんは「ちょっとだけどなんかたくましくなった気がするし」と言い放ちます。
ただしここまでは、別に褒め上手でなくても言えます。

高木さんがスゴいのは、この後に「テレてる?」と一からかいした後で「たくましくなった気がするってのは本当だよ」と念を押し、更に「ちょっとカッコ良くなったんじゃない?」とトドメを刺すところ。
どうですか、この三段活用。
誰だって真に受けますよね、こんな言われ方したら。

 

【その8:大胆さのさじ加減が上手】

出典 : (c)2018 山本崇一朗・小学館/からかい上手の高木さん製作委員会 : TVアニメ「からかい上手の高木さん」公式サイト

大胆な告白は女の子の特権……なんていう言い伝えがアニメの世界にはあったりなかったりします。
高木さんもからかい上手なところと超絶可愛いところ以外は普通の中学生女子なので、例外ではないようです。

高木さんの大胆さが現れているシーンとして、アニメ第5話の「雨宿り」の回を挙げてみます。
このエピソードでは、下校中の2人が突然降り出した雨から逃れるため、近所の神社で雨宿りをします。
そこでなんと、高木さんは西片くんの体操着を貸して欲しいとお願いします(自分の体操着が少し濡れていた為)。

これもかなりの大胆さですが、更にその後、ズブ濡れになった西片くんに自分の体操着を着るように言うんです!

中学1年生という、既に思春期に突入したお年頃での体操着交換。
「大胆さ」で済むギリギリのラインを攻めた高木さん……さすがです。

 

【その9:からかう相手のチョイスが上手】

ラストはやっぱりこれしかないでしょう。
幾ら高木さんがからかい上手でも、からかう相手が冷めていたり反応が鈍かったりしたら、そのパフォーマンスは十分に発揮されませんよね。
相手が西片くんだからこそ、高木さんのからかいは100%、或いはそれ以上に輝くんだと思います。

やっぱり好きな相手じゃないと、本気でからかえませんよね♪

 

【まとめ】

『からかい上手の高木さん』は他の日常アニメと比べて登場人物が少なく、行動範囲もかなり小さい作品です。
その為、高木さんがからかって西片くんが狼狽えるという定番の掛け合いが内容の大半を占めますが、それでもこれだけ面白くて心がキュンとするエピソードをたくさん生み出しているのは、本当にスゴいことだと思います!
今回検証した「高木さんがからかい上手な理由」は、そのまま「『からかい上手の高木さん』が人気の理由」にあてはまるのではないでしょうか。

 

【公式PV】