31
Jul
【まったく最近の探偵ときたら】『川柳少女』の作者が描くミステリ要素ほぼ皆無の探偵コメディ #まったく最近の探偵ときたら
本作唯一のミステリは「ヒロイン」の正体
出展 : 五十嵐正邦 (c)KADOKAWA CORPORATION 2018 : 『まったく最近の探偵ときたら』特設サイト – 電撃マオウ
本作はほぼ純度100%のギャグマンガで、ミステリ要素のない特異な探偵モノです。
ですが一つだけ、作品を通して謎に包まれていることがあります。
それは、ヒロイン・真白の素性です。
彼女は1話目から名雲探偵事務所に強引な形で転がり込んで来ましたが、どうやらそれ以前に名雲と面識があったようです。
たまに描かれる回想の場面では、名雲が高校生探偵だった時代、まだ生まれたばかりの真白が助けられたと思しきシーンが確認できます。
また、3巻収録のエピソードでは美馬坂警部から朝倉(あさくら)という苗字で呼ばれ、「名探偵 名雲桂一郎を潰したのは自分のせいだと思っているんだね」と指摘されていました。
学校関係の書類は全て焼却しているらしく、両親が健在なのを仄めかす言動をしているものの実際にどうなのかは不明。
「昔の苗字」が存在することも示唆しており、少なくとも名雲に助けられた当時とは苗字が変わっていると思われます。
恐らく幼少期の真白が名雲に助けられた際の事件が、真白の家庭や名雲に多大な影響を与えたと推察されますが、当時のエピソードに関する詳しい経緯は語れられていません。
本作はあくまでギャグマンガなので、実は真白の過去もネタ的な内容でアッサリと暴露……なんて可能性もありますが、4巻収録分までにおいては「本作唯一のミステリ要素」と言えるでしょう。
まとめ
殺人事件、密室トリック、暗号解読……そういった内容の探偵マンガが好きな人には、本作はあまりオススメできません(同じくヒロインがフィジカルお化けの『Q.E.D. 証明終了』をオススメします)。
この『まったく最近の探偵ときたら』はあくまでギャグ作品なので、探偵という存在は好きだけどマンガを読むのに頭を使いたくない、テンポの良い掛け合いが見たい、可愛い女の子を愛でたいという人に読んで欲しい作品です。
それにしても、同じコメディでも『川柳少女』とは違う作風で、そのどっちも高評価を得ている五十嵐先生……ノッてますね!