円熟味を増した浅野りんワールド

出典 : Amazon.co.jp

この『であいもん』の作者、浅野りん先生は1990年代にデビューしたマンガ家さんです。
当時は月刊少年ガンガンを主戦場とし、『CHOKOビースト!!』『PON!とキマイラ』などの作品を手がけ、人気を博していました。
アラフォーのドラクエファンにとっては4コママンガ劇場でもおなじみですね。

高橋留美子先生の「るーみっくわーるど」を髣髴とさせる、賑やかな男女たちが繰り広げる明るいドタバタ劇と優しい世界観がとても魅力的で、それは2000年以降に発表した『天外レトロジカル』や『京洛れぎおん』においても健在。
そして2016年からスタートした『であいもん』はそれらの集大成とも言える作品で、円熟味を増し落ち着き払った大人の空気感と、「浅野りんワールド」と言うべき賑やかな子供の世界観が共存した、とてもバランスの良い作風になっています。

「京都」や「和菓子」といった要素に関心を抱いた人はもちろん、90年代にガンガンを読んでいた世代にとっても存分に楽しめるマンガです！

まとめ

浅野りん先生の作品には「この世界に浸っていたい」と思わせる居心地の良さが常にありますが、この『であいもん』はそれが特に強く感じられる作品ですね。
一果を包み込むように温かく見守る和菓子屋「緑松」の絆も、和を取り巻く女性陣の可愛さ（怖さ）も、全てが読んでいて心地良くなります。

もちろん、読んでいて和菓子が恋しくなるのもポイント。
食わず嫌いしている人はこの機会にぜひ、手に取ってみてください！