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11

Jul

【1518!イチゴーイチハチ!】相田裕が贈る生徒会×青春群像劇! タイトルに込められた複数の意味とは……?【おすすめマンガ】 #イチゴーイチハチ

丁寧に積み重ねられた青春ストーリー

本作の土台となっているのは「生徒会」と「青春」だと思われます。
そのどちらも丁寧に描写されていて、それが『1518!』の最大の魅力になっています。

例えば、幸の烏谷に対する気持ちもその一つ。
2巻収録の第12話「キラキラ」での一幕を例に挙げてみます。

中学生の頃、敵側のピッチャーだった烏谷のプレイに目を奪われた幸ですが、先輩で庶務の三春英子(みはる えいこ)に野球から離れた現在の烏谷をどう思ったか聞かれた際、「前とは別人で、ちょっとがっかりしました」と率直に言っていました。
それでも「別人になってもがんばってるから」という理由で彼を気に留めてはいますが……当人の前で言った訳ではないにしろ、「がっかりしました」は強烈な言葉です。
優しく穏やかで人の悪口を言うタイプでは決してない幸だけに、尚更強い言葉に感じます。

その後、4巻収録の第30話「共に歩く」では幸がその自分の言葉を回想するシーンがあります。
そして直後に「遠くから見るんじゃなくて、いっしょに歩くなら…今の烏谷君かなあ」と呟きます。

もちろん、失望の気持ちもゼロではなかったかもしれませんが、それだけではなかったのでしょう。
野球を諦め、それでも今をがんばって生きている彼に寄り添っているからこそ、当時のキラキラ輝いていた烏谷とその彼に憧れていた自分へ向け、客観的な、そして少々ドライな言葉を使えたのかな……と読み解くことができます。

この作品は一つの場面に関してそこだけで完結せず、後で「このキャラは当時こういう心境だったのか」と示唆する、或いは想起させる場面がしばしば登場します。
この丁寧に積み重ねられたストーリーが、本作に深みをもたらしているように感じられます。

まとめ

相田裕先生と言えばアニメ化された「ガンスリ」の作者として有名ですが、この『1518!』も負けず劣らず、とても良いマンガです。
生徒会役員の面々は、それぞれ異なる事情を抱え生徒会に加入していますが、そのキャラたちの心の動きを丁寧に、とても優しく掘り下げている印象で、読みやすくて面白い作品になっています。

生徒会を題材とした日常モノの中で、生徒会の役割や仕事をここまでしっかり描写する作品は少ないと思うので、青春モノとしてだけでなく生徒会モノとしての質も高く、オススメです!
もし手に取ったなら、まず4巻までは読んでみてください!

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